今回は上の写真のギャリソンベルトを作っていきます。
材料
今回はクラフト社の40mmベルト用レザー(ブラック)と、メーカー不詳の真鍮無垢の40mm用バックルを用意しました。
バックルの内径はベルト幅に合わせて購入する必要があります。
その他には革包丁、針、糸、ヘリ落とし、やすり、トコフィニッシュ、スリッカー、ガラス板、ハトメ抜き、ハンマーなどの一般的なレザークラフト道具が必要です。
バックルを付ける部分を薄く加工
まず、バックルを付ける部分から加工していきます。
端の部分を折り返してバックルを固定しますが、そのままでは革が厚すぎてうまく折れません。
そこでベルトの端から7cm程度のところから、端に向かって徐々に薄くなるように削っていきます。
ざっくり切ってしまわないよう、革包丁を寝かせて少しずつ削ぎます。
革を削ぐための道具も持っていますが、切れ味が悪く使いづらいので、いつも革包丁でやってます。
ひたすら革を削ります。
厚いので結構大変です。
こんな風に丸めて縦に持ち、革包丁で縦に削ぐのもやりやすいです。
折り返したときに引っ掛からないように、削ぎ終わったら角を丸めておきます。
バックルピンの穴開け
バックルのピンを通すための穴を開けます。
今回は端から5.5cmのところが中心になるように開けました。
上の写真のように5mmのハトメ抜きでいくつか穴を開け、余った部分を彫刻刀などで切り落とします。
軽くハンマーで叩いて折り目を付けます。
サイドから見るとこんな感じ。
端に行くほど薄くなっているので、折り曲げたときにうまく収まります。
ピンの穴は、ピンがスムーズに稼働するための十分な長さが必要ですので、この時点でバックルをはめてみて、ピンがきちんと動くか確認しておきます。
ヘリ落とし
床面(内側)のヘリを落としていきます。
これをやっておくことでベルトの着脱がスムーズになります。
今回は床面のみやりましたが、お好みで銀面(外側)のヘリも落としても良いです。
現時点でこんな感じになっています。
コバ磨きと床面の処理
次は床面とコバ(側面)にトコフィニッシュを塗って磨いていきます。
磨き終わるとこんな感じに。
あまり光らせ過ぎずに自然な仕上がりにしました。
バックルの取り付け
菱目打ちでバックルを固定するための縫い穴を開けていきます。
今回はこんな感じで縫い付けてみました。バックルさえ固定できれば縫い方は自由です。
後でバックルを交換できるように、接着剤などは使っていません。
これでバックル側は完成です。
カシメやホックで固定する方法もありますが、縫い付ける方が厚みが薄く仕上がるため、腰に巻いた時に付け心地がいいです。
先端のカット
型紙(PDF)を作りましたので、必要な方はダウンロードしてご利用ください。
今まで使っていたベルトを横に並べ、バックルのピンの位置で揃えます。
ベルトは使用し始めると少し伸びるので、中央の穴よりも1~2cm短いところに目印を付けます。
伸びる量は革にもよりますが、今回は1.5cmバックル側にマークしました。
繰り返しになりますが、少しだけ小さく作るのがコツです。
大きく作ったものを縮めることはできませんが、革は引っ張ればある程度は伸びます。
型紙の中央の穴と先ほどの目印を合わせ、先端部分を切るための線を引きます。
線に沿って革包丁でカットします。革が厚く、曲線なのでうまく切るのは難しいです。
上の写真のようにガタガタでも・・・
やすりを使って形を整えるとこの様に綺麗になりますので大丈夫。
慣れていない方は5mmほど長めにカットすると良いです。
初めてやるとどうしても左右対称にならず、削りすぎて短くなりがちです。
短いベルトはカッコ悪いですからね。
穴開け
型紙を使って合計5つの穴を開けます。ハトメ抜きは5mmを使用しました。
もちろん、先に目印を付けた中心の穴を基準にします。
先端を基準にしてはいけません。
完成!
カットした先端部分と穴の側面をトコフィニッシュで磨くと、良い感じにラギッドなギャリソンベルトの完成です!
ベルト作りは簡単ですので、レザークラフト初心者におすすめですよ。
ちなみに今回のソリッドブラスのバックルは、変色防止のためのクリアコーティングがされていましたので、コーティングをやすりで剥がした後、鏡面磨きをしています。
こうすることでレザーと同様にバックルの経年変化も楽しめます。